自転車をフレームから組む前の儀式。 工具と手順について

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自転車をフレームから組む前の儀式。 工具と手順について

会社の先輩からスペシャライズドのマウンテンバイク エピック M4を格安で譲ってもらいました。
路面からの衝撃があった時だけストロークする「ブレインショック」を搭載したモデルです。
このまま走ることも可能ではありますが、Vブレーキ仕様で気になる点もいくつかあったので、全て部品を外してレストア&カスタムアップさせることにしました。

今回は部品を取り外して、フレームから自転車を組む際の前処理についてご紹介。


まずはワイヤー類、コンポーネント一式、BB(ボトムブラケット)を外します。
BBを外した所、ネジ類のサビや汚れが目につきます。

洗車や、雨の日に乗ったりして、フレーム内に水が入ると、BBに流れ込んでしまうことがあります。
BBにも水抜き穴はありますが、10年近く放置するとこんな風になってしまうようです。
特にスチールフレームはBBと固着して外れなくなってしまうこともありますので、定期的なチェックとグリスアップが必要ですね。

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再度BBもはめにくいため、今回はBBのネジタップとフェイシングを行います。
こんな工具を使います。

C-405 R/L一軸ハンガータップ 切削工具

■なぜネジタップが必要なのか?
BBのネジ山は、フレーム工場で加工されていますが、ネジの状態が不十分な場合や、溶接時の歪み、塗装が入り込んでいるなどの理由で、BBユニットがスムーズに入らなかったり、取付自体が困難な場合があります。
これをすることにより、手で簡単に奥まで締めこむことが可能になります。

すごく高い工具の割に使う頻度は少ないため、手持ちの自転車に行いたい場合は、是非弊社店舗にご相談ください。

ネットでフレーム購入時に併せてお申し付けいただいても承っています。
BBのタッピング&フェイシング

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ここでナナメに工具をはめてしまうと、一発でフレームがダメになってしまいます。慎重に、慎重に手で回せるところまではめ込んでいきます。

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はめ込んだ後は、切削オイルをつけて、回しては戻してを繰り返してネジ山を綺麗にしていきます。


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ハンドルを取り外し、BBの中は切削工具だけにします。
結構削りカスが出ています。

その状態でフェイシングを行います。

■なぜフェイシングが必要なのか?
フェイシングは、BBシェルの端面について、溶接時の歪みや塗装のムラなどによって、取り付けるネジの軸に対し、垂直な面が確保されていない場合があります。
BBのスムーズな回転とベアリングの耐久性を確保するためにも、専用の工具を使用したBBシェル端面の平行出し「フェイシング」作業が必要となります。

先ほどはめた工具の中にシャフトを入れ、回します。
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塗装面が均一に削れたら完了です。

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どうでしょう?こんなにネジ山がピカピカです。
こうすると、BBが手でスルスル入っていきます。

清掃ついでに、
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清掃と、サスペンションの各リンクもグリスアップしていきます。
少しサビが出ている箇所もあったため、グリスアップ後の動きはスムーズの一言。
※トルク管理及び緩まないようにする必要があるため、安易な分解はおすすめしません。

フォークは、標準で付属していたものより軽量なタイプに交換!
ヘッドもクリスキング!(通称クリキン)といきたいところですが、近所のトレールを走るだけということもあるし、一番は予算の都合で似たカラーのものを選びました。

交換したのは
VP-A69AC アヘッドセット オーバーサイズ(1-1/8インチ、28.6mm)
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3000円前半(2016年5月現在)ながら、非常に高級感があり愛車をドレスアップできます。
シールドベアリングで大方の人はこれで不満は出ないと思います。

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取付ようとしているフォークには、以前付けていたヘッドパーツのクラウンレースが付いているので外します。

取り外しは下記のような工具を使います。
ユニバーサルクラウンレースプーラー 下玉押し外し ヘッド工具
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もう少し安価のタイプもあります。
クラウンレースリムーバー 1インチ 1-1/8インチ対応

赤い〇の所とクラウンレースをはめ合わせ、上についているレバーを回すだけ取り外すことができます。

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無事に外せました。

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左:以前ついていたヘッドパーツ  右:今回取付するヘッドパーツ
一見同じように感じるけれど・・・

ものによりそのまま取付しても動きに支障がないように感じることもありますが、実際にはクラウンレースの形状が違うため
きちんと交換することを強く推奨します。

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ベアリングも、クラウンレースに接触する角度がヘッドパーツにより異なるため、付属品をお使いください。

なお、ベアリングリテーナーには様々な種類があり、数値を合せて取付する必要があるのです。
付属ベアリングの規格は
Inner x Outer x Depth (mm): 30.15 x 41 x 6.5
Inch Dia: 1-1/8"
Angle / Chamfer (Deg): 36 / 45


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(※誠に申し訳ございませんが、当店ではヘッドパーツの名称、型番などから、使用可能なベアリングの型番確認はいたしかねます。)

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クラウンレースを取付します。
取付は下記のような工具を使います。
クラウンレースセッター

まず、クラウンレースに一番適合するアダプターを確認します。
決まったら、セッターをはめ込み、鉄ハンマーでたたきます。
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ふわふわ浮くような打撃感から、「カンカン」という音に変わったら、一周均等にはめ込めているかを確認して終了です。
文字で書くと簡単ですが、均等に打ち込めていないと異音や動きにムラが出て、ヘッドパーツにダメージを与えてしまうので注意が必要です。

さて、ここまで来たらフレーム側のヘッドパーツを外していきます。
使う工具は
RT-1 ヘッドワンポンチ (ヘッドパーツ取り外し工具) ヘッド工具

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〇の部分に引っかかるようにしてポンチをセット、上から叩きます。

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簡単に抜けました!
完璧を求めるならば、この後ヘッドチューブリーマーでフェイシングをしますが、私自身、これをしなくてハンドルの回転が悪いフレームを見たことがないので、
今回は割愛します。工具だけご紹介。
HTR-1 ヘッドチューブリーマー 切削工具

グリスを塗ってはめ込んでいきます。
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使用工具は
ヘッドカップインストーラー ヘッドワン圧入工具

上と下にヘッドをはめ、上下から力をかけて圧入していきます。
ここでも、ヘッドのカップがズレてしまうと大変なことになるので、慎重に作業を進めます。
同時に、ヘッドカップに文字がある場合は上下合わせた方がかっこいいです。

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圧入できました。

一通り、フレームの処理が完了したら拭きあげます。

油や泥がこびりついたMTBフレームの頑固な汚れ。
相当時間をかける覚悟をしておりましたが、EVERS(エバーズ) バイシクルクリーナーで簡単にピカピカにすることができました。
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シートチューブなどの縦パイプ箇所も液だれしにくく使いやすい。

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FD(フロントディレーラー)周りもこんなにピカピカ!感動です。

他にもこんなクリーナーがあります。
EVERS(エバーズ)丸洗いクリーナー 自転車クリーナー 480ml マイクロファイバークロス付属 水洗い不要!
普段手の届かない細かい所まで、徹底的に綺麗にしていきましょう!

準備ができました。あとは組み付けして完了です。

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フレームの前処理をして本来のポテンシャルを引き出してあげましょう。

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Text:石飛


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