つけたがる人が多いけど、実は難しい。センタースタンドのお話。

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つけたがる人が多いけど、実は難しい。センタースタンドのお話。

当店では自転車を購入時に同時購入いただいたパーツの取付を承っております。

ライトやベル等のアクセサリー類を除くと、スポーツ車へのパーツ取付ではセンタースタンドが最も問合せ・要望が多いです。
しかし実はセンタースタンドにはかなりの難しい条件があり、容易に取付できるわけではありません。
今回は、そのセンタースタンドについてのお話です。


【なぜ、スタンドを希望するのか】
それは様々な場所に、より容易に駐輪する必要があるからだと思います。
普段使い、通勤、ちょっとそこで買い物。。。となる時、スタンドがあるとどこでも駐輪ができて便利です。
スポーツ車に慣れている方は「立て掛ければ」と考えてしまいますが、例えば商店街の中のスーパーなど、どこでも立て掛けられる場所があるとは限りません。サッと停めたい時に立て掛ける場所はどこだ・・・と考えるのは、一般的には不便なもの。
そういった意味でスタンドが必要、と言う点については、「あると便利」と考えるよりも「必須」と考えることの方が多いかもしれませんね。
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実際に私も、本気でレースをするロードバイクやツーリングバイクには一切不要と考えています。ちょっとした駐輪では壁に立てかけますし、長時間駐輪しておくと言う考えがありません。
しかし、普段の買い物や、長時間目を離す場合、例えば駅に停めたい時などにはどこでも立てられるスタンドが欲しいと考えており、チョイ乗り用のバイクにはセンタースタンドを装着しています。
私のように用途ごとに何台も所有している場合であればいいのですが、1台しかなく通勤とサイクリングと兼ねての車体、と言うことであれば、きっとロードバイクにだってスタンドは必要となることもあるでしょう。


【なぜ、センタースタンドなのか】
それは、サイドスタンドよりも安定するからだと思います。サイドスタンドの場合は、どうしても車体が横に傾きます。これに対してセンタースタンドであれば真っ直ぐに正立するため安定します。
あと、スポーツ車のサイドスタンドは一般車(いわゆるママチャリ・シティサイクル)と異なりロックがありません。
少し傾斜や凹凸のある場所に停めると、スタンドを軸に自転車がぐるっと回ってしまって倒れる、スタンドが跳ね上がってしまうなど、より不安定な状況となります。
こう言ったこともあり、より安定感を求めてのセンタースタンドが好まれるようです。


【取付できないフレーム】
これは言うまでもないかもしれませんが、カーボンフレームにはフレーム固定型のスタンドの取付はできません。
締め付けをすることで特定の個所に力が集中し破損の原因となりますため、カーボンフレームの方はスタンドの装着は考えないでください。
(クイックリリースタイプのものでも、お勧めはしません)

あとは金属フレームの中でも軽量さを謳っているものは素材が薄くなっていることで、スタンドの様な締め付けをすることで破損する場合もありますのでご注意ください。


【取付ができる条件】
さて、本題です。センタースタンドが取付ができるフレームとはどんなものでしょう。
簡単に言えば、「取付できるスペースがあり」「妨げるものがないこと」です。

しかし、実は簡単に言えるこの判断が非常に難しいのです。

■取付できるスペースがあること
ここはまだ簡単な方です。取付をするためには、スタンドと金具を取り付けるスペースが必要です。
具体的には2パターンあり、1つはセンタースタンド用の台座があること(但し一部車種を除きほとんどの場合はありません)。
center-006.jpgもう1つは、チェーンステーにブリッジが設けられており、シートチューブとタイヤまで間に十分な感覚があること。感覚の目安は、男性の方で指2-3本くらいの幅くらい。このくらいは余裕が必要です。
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取付が可能な例

center-004.jpgこのようにプレートが入る隙間が必要です。

center-013.jpgこれは取付ができない例。


■妨げるものがないこと
ここでの条件は2つ。
まず1つ目は、真ん中をボルトが通過できること。上下からプレートとスタンドで挟み込む構造になるため、その中心をボルトで固定します。いくらスペースがあるからと言って、ブリッジなどがここを妨げてしまうようでは取付ができません。

そしてもう1つは、変速のワイヤーに干渉をしないこと。
ここがはっきり言って一番判断が難しい内容。これについては基本的には現物合わせとなるため私たちも画面を見ているだけでは判断ができず、インターネット通販における中では悩みどころです。
プレートを仮止めしてみて、フロント/リヤの変速ワイヤーに接触しなければOKです。接触してしまうと、正しい動作ができなくなるだけでなく、無理な力や摩擦が加わることで、破断してしまう恐れもあります。
特にフロント変速ワイヤーがダウンルート(フレームの下側からのワイヤールート)の場合は多くのフレームで上側プレートとワイヤーが干渉いたしますため、ご注意ください。

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これはNGです。

リヤのワイヤーも下プレートとの干渉にご注意ください。
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これはOKな例


※この点において、当店では「センタースタンド取り付け可否」については事前に現物に合わせての判断ができず、お問い合わせを頂いてもお答えすることができません。
そのため、明らかに取付ができるもの以外は原則お取付をお断りしております。あらかじめご了承くださいませ。
センタースタンドのお取付をご希望されます場合は、自転車のお受取り後、店頭での確認・相談をお勧めしております。


【取付例】
実際に私のバイクに取付をした例となります。center-012.jpg
center-007.jpgESGE社のダブルレッグスタンドを装着したこともありますが、今回取付をしたのは、「CL-KA56 ダブルレッグスタンド
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スタンドの足を一番短くして、700×28Cでこのくらいタイヤが浮きます

上部のプレートが少し内側にえぐれた形の形状になっており、ワイヤーにも干渉しにくくなっています。
center-008.jpgちなみに私の場合は、それでも変速ワイヤーにプレートが干渉いたしました(先ほどのNG例)。そのくらいワイヤーの干渉は通常にあると言うことです。
私はそこで、フロントギアをシングル化(元はダブル)し、フロント変速を封印することで取付を可能としました。
これもセンタースタンドを取り付けるために必要な選択です。


なお、もう1台のバイクでは、センタースタンド専用の台座を設けました(冒頭2枚目の写真です)。
こちらではワイヤーの干渉もなく、そのままで取付が可能です。

【取付後の注意点】
・使用に伴い緩むため、定期的な増し締めが必要
センタースタンドはボルト1本で止まっています。使用に伴い緩むと固定位置がずれ、走行時にクランクに当たる可能性があります。
定期的に増し締め確認をしましょう。

・駐輪時(スタンド正立時)はスタンドがクランクに接触する
駐輪時は、ペダルがクランクに接触します。当店で取付の場合、お届けまでの輸送間に車輪・クランクが逆回転することでスタンドに接触するなどによりキズや跡が入る場合もございます。予めご了承ください。

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意外と多くの方が希望されるスポーツバイクのセンタースタンド。実は、取付には結構条件が厳しいのです。
少しでもご参考になれば幸いです。

(Text.Yaromai)


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